浮浪雲 60
- 内容紹介
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激動の幕末を、流れる雲のようにサラリと生きる“大江戸楽天人伝”。 ▼第1章/おにぎり弁当▼第2章/良妻良母▼第3章/幸せの沙汰▼第4章/躁仙歌▼第5章/鶴の恩返し▼第6章/ゆるやか▼第7章/是が非▼第8章/天晴(あっぱれ)▼第9章/気の毒屋町次
●主な登場人物/浮浪雲(品川宿「夢屋」の頭。遊び人)、かめ(雲の妻)、新之助(雲の息子)、花(雲の娘)、渋沢先生(かめたちの相談相手)、青田先生(新之助の通う塾の先生)、とっつあん(欲次郎。「夢屋」の番頭)
●あらすじ/これからは学問の時代だと、かめは新之助に勉強するよう必死にすすめる。しかし、当の本人はまったくやる気なし。それどころか、口うるさいかめに反抗して、前以上に勉強をしなくなってしまった。ある日、布団の中でこっそり涙を流すかめの姿を偶然見てしまった新之助。罪に念に苛まれ、その日から猛勉強を始める。だが、ガリ勉になった日から、新之助はおろか、かめまでも元気がなくなってしまい…(第1章)。▼10代の頃にほのかな恋心を抱いていた玄一郎に、偶然再会したかめ。「汚れのない魂は、昔とちっとも変わらない」と、玄一郎にじっと見つめながら言われ、かめは思わずトキメいてしまう…(第2章)。
●その他の登場キャラクター/かめが昔憧れていた玄一郎(第2章)、良妻賢母の千鶴(第2章)、雲と仲の良いごろね奉行(第3、6、7章)、医者の長寿庵(第5章)、娼婦宿のもめごと始末屋・町次(第9章)