浮浪雲 57
- 内容紹介
-
激動の幕末を、流れる雲のようにサラリと生きる“大江戸楽天人伝”。 ▼第1話/苦節中年▼第2話/愛しのうんこ▼第3話/虫けら▼第4話/秋の大空▼第5話/愛のさざなみ▼第6話/暮れ六つ▼第7話/縁むすび▼第8話/ばか夢▼第9話/春の心境▼第10話/黒雪 ●登場人物/浮浪雲(品川宿の問屋場、夢屋の頭。柔軟かつ強靱な精神の持ち主)、新之助(雲の長男。大人物を夢見る熱血少年)、カメ(雲の妻)、欲次郎〈とっつあん〉(夢屋の帳場をまかされている老人) ●あらすじ/やもめ暮らしの長い長十郎に見合いの話が持ち上がった。口では一人暮らしの気楽さが捨てがたいなどと言ってはいるものの、かなり期待をしている様子。さて見合いの結果は……?(第1話)。▼その知識たるや右に出る者はおらず、全てが日本一と評判の禅海という男が品川にやってきた。しかしこの男、名誉や尊敬を受けることを楽しんでおり慢心している様子。なんとかこの男をへこませてやりたいと考えたお奉行は、雲に禅海と対決してみろと勧めるのだが……(第2話)。▼とっつあんの甥で、鬼九三という男が江戸へ出てきた。仕事を探したいと言っているのだが、毎日毎日何もせずにゴロゴロしている。心配したとっつあんは鬼九三に夢屋で籠かきになれと言うのだが……(第3話)。