大和小伝
- 内容紹介
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さいとう・プロが1962年に創刊した「ゴリラマガジン」と同じ年に創刊された時代劇短編誌「大和小伝」収録のさいとう作品5作を収録。
劇画ファンの要望が高かかった名作ながら、1970年に新書版で再録されて以降、一般には手に取ることが難しかった名作。劇画誕生50周年の今年、その後のメジャー誌での劇画隆盛のきっかけとなった時代劇画を復刻します。武芸者を集めて藩ののっとりをたくらむ家老の陰謀に立ち向かう青年藩士・佐久間兵馬の活劇「剣法無双」のほか、大藩が秋山左近日という武芸者を召抱えるとの話に本人と名乗る武芸者が何人も現れる「蒼雪」、剣の天才とうぬぼれる若者・真崎が、実在の剣豪・富田勢源に挑む「修羅外道」など、舞台設定の異なる短編5作を発表。いずれも、剣の道に生きる男たちの意地と懊悩、克己と悲愁を描く、ヒューマンな作品となっています。同時期に描かれた孤独な剣士の生き様を描く「武芸紀行」とともに、その後の「無用ノ介」に通じる転機となった重要作です。