生きていればきっと、いつかいいことがある……
あの頃、弱冠22歳だった浅野いにお氏が紡いだ世界が完全版に!
ISBNをご存じだろうか?International Standard Book Number、つまり国際標準図書番号。これは世界共通の書籍を特定する記号である。2003年、5月19日、1冊の水色の単行本がこの世界に送りだされた。ISBN4-09-157211、「4」は日本を、「09」は出版社を表し、その先が個別タイトルを意味しており、157211、そのタイトルは『素晴らしい世界』第1集。弱冠22歳の大学生が漫画家として初めて送り出した本である。彼の名前は浅野いにお。大学生作家が「サンデーGX」から密かにデビューしたのだった。やがて翌年、ISBN4-09-157212として『素晴らしい世界』第2集刊行。1集の初版は1万5000部だったが、2集では初版は2万5000部に増え、浅野いにおの名前は漫画界で徐々に注目されるようになっていく。
だが、漫画家としての道のりは平坦ではなかった。「スピリッツ」に原稿を持ち込みしてから1週間でデビューが決定した浅野氏だったが、その一方で作家として求められるものと、自分の描きたいものとのギャップに悩み、時代に流され生きてゆく同世代の生き方に抗いながら生まれたのが、このシリーズ読み切り『素晴らしい世界』。16年を経てもまだ重版を重ねる『素晴らしい世界』は、2019年5月17日現在、第1集は37刷、2集は30刷と版を重ねている。
昨年「スピリッツ」への持ち込みデビューから20年を迎えた浅野氏だが、古巣「サンデーGX」へ帰還、6月号にて再び読み切りを提供している。
そして、このたび、「GX」から新装完全版として『素晴らしい世界』がISBN978-4-09-157567という記号を与えられ再びこの世界に送り出された。
新装完全版は通常版と限定版の2種があり、共に第1、2集を完全再録したほか、単行本未収録のFinal Program『それから』を収録。各話に著者自身による解説も付いている。
限定版では『素晴らしい世界』の本当の始まりでもあったオリジナル版の『桜の季節』や、コミケ会場限定小冊子『うらじぇね』用に描き下ろされた浅野いにお氏の黒歴史とも言える『素晴らしい世界』裏バージョン3編に、某携帯通信会社パンフレット用の描き下ろし『HAPPY STORY』、「GX」創刊10周年読み切り『planet』、そして現在発売中の「GX」6月号に掲載されている『1999(What A Wonderful World)』までを収録した『1999/浅野いにお未収録作品集』が別冊作品集として付いてくる。
今なお色褪せることのない浅野いにお氏のデビュー単行本の新装完全版は、通常版は『森のクマさん』のあのキャラが目印。一方、単行本未収録作品集が付いてくる限定版の表紙は、あの彼女が目印。
読んだことのない人も、読んだことのある人も、今一度手にとってみてほしい。
浅野いにお氏の悶々とした青春が、作家としての原点が、『素晴らしい世界』にはある。
そう、生きていればきっと、いつかいいことがある。
僕らが生きるのは優しくも悲しく、楽しくも切なく、そして強くはなかいこの素晴らしい世界なのだから──
商品概要は以下のとおり。
浅野いにお『素晴らしい世界 新装完全版』
判型:A5判 436ページ
定価:本体1500円+税
浅野いにお『素晴らしい世界 新装完全版』単行本未収録作品集付き限定版
判型:A5判 436ページ+96ページ
定価:本体1900円+税
- ■『素晴らしい世界 新装完全版』の試し読みはコチラ
- http://shogakukan.tameshiyo.me/9784091575678
- ■『Creator’s Lounge/浅野いにお氏対談』の詳細はコチラ
- https://shogakukan-comic.jp/news/17845
- ■『「サンデーGX」初!6月号は浅野いにお氏総力特集!!』の詳細はコチラ
- https://shogakukan-comic.jp/news/18169
- ■「サンデーGX」公式サイトはコチラ
- https://sundaygx.com/