怪獣ラバン
- 内容紹介
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1958年に暁星書房から「東真一郎」名義で刊行された貸本単行本を完全復刻いたしました。水木しげるオリジナルのゴジラならぬ怪獣ラバンが登場するパニック・サスペンスものですが、そこは鬼才だけに、たんなる怪獣ものの範疇を飛び越え、突然変異してしまった怪獣の悲しみを諄々と描き出しています。
生命の秘密を解明するためにゴジラの血を採取に、研究隊が南洋へ赴くが、飛行機が不時着してしまいます。生き残った隊員の1人は毒矢に負傷し、功績を独り占めしようとした隊員によって、ゴジラの血を輸血されてしまいます。突然変異して生まれたのは怪獣ラバンだった…。著者の戦場体験と引き揚げ者の労苦を織り込んだ、水木思想開花の傑作!