ホロウフィッシュ 1
- 内容紹介
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世界が滅ぶ時、一緒に死にたい人はいますか 2019年、3月。
静岡、海沿いの街――
母親を亡くした過去を引きずる、高校一年生の椎良(シイラ)と、
彼に片想いをする幼なじみの杏子(アンコ)。
いつか大きな地震が来て、
この街ごと海に沈んだとしても構わないという少年と、
彼と生きていくために、一緒に東京へ行こうという少女。
いつまでも続くかと思われた、生ぬるい液体に包まれたような日々。
“だけどあの日……椎良はあの人に出会ってしまったんです”
――訪れてしまった運命の出会い、走り出す恋。
それは、背後に忍び寄る不穏な事件の気配もまだ遠い、
春のできごと――
『バジーノイズ』で鮮烈連載デビューを果たした俊英・むつき潤が描く、
“終末”と“再生”の恋物語、開幕。
原案:麓 貴広『この醜く美しき世界』
- 編集者からのおすすめ情報
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20代半ばにして挑んだ初の週刊連載作『バジーノイズ』で話題となった俊英・むつき潤氏。
ポップでミニマルな画風で「音楽業界の今を生きる若者たち」を描き切った前作から一転。
今作は彼の大学時代の先輩がかつて書いた脚本をもとに、
海辺の街で起きたある恋物語とその背後に忍び寄る“事件”を、湿度や潮の香りさえも匂い立ってくるような筆致で描き出します。
暗くぬるい海の中を泳ぐようにして幕を開けた本作、
懸命に生きる彼らが辿り着く場所を、是非ご一緒に見届けてください!