実体験に基づいた被災犬と過ごした日々『アラン ~いつか帰る日を夢見て~ 完全版』がついに登場!!
一人の女性漫画家が今年4月、たくさんの漫画家やアシスタント仲間に見送られて旅立った。
彼女の名前は「あやせりう」。「文世空也」「綾瀬かおり」「綾瀬りう」のペンネームで活躍していたこともある職人気質の作家だった。
そんな彼女には、もう一つの顔があった。愛犬家・愛猫家、つまり無類の動物好きだったのだ。なので、公園で見かけた捨て猫や飼育放棄された動物たちを見過ごすことができず、そうした動物たちを引き取っては育てては見送ってきたのだ。その彼女が東日本大震災のときに出会ったワンコが「アラン」。10歳になるラブラドールレトリバー。40キロ近くある大きなおじさんワンコだった。
本作は、実際に被災犬アランを預かって5年目に入っていたあやせ氏からの持ち込み企画として実現。超大型犬のグレートデンを亡くしてからしばらくして、犬友(犬を飼っている親しい飼い主さん同士の友達のこと)さんから紹介され、アランを震災直後に預かることになった経緯、2匹の先住ニャンコとのヒエラルキー、飼い主さんとアランの初めての面会、アランの帰りたいのに帰れないジレンマなどが丁寧に描かれていて、彼のしっぽの振り幅に被災犬の切なさが凝縮表現されている。
一方で、いずれ福島へ帰っていくのだからと里親として距離を置こうと葛藤するあやせ氏自身の心境、飼い主さんとアランの目には見えない不思議な絆、軽い嫉妬、そんなこともきっちり綴られて、被災犬を預かる側の心の変化にぐいぐいと引き込まれる。
本作はデジタル専用描き下ろしマガジン『いぬまみれ』で好評連載されていた5話に、アランの写真やイラストなども収録してデジタルコミックコレクションとして配信。竹内未来氏によるあとがき、生前の彼女を偲ぶ回顧録などを収録してのフルカラーの完全版となっている。
読みながら作者あやせ氏に思いを馳せてみてほしい。本作を執筆中にアランを見送り、4話目を執筆中に自らの病を知った彼女。最終話を描き終えてからの闘病生活はあまりにも短く、誰もがその訃報に驚きを隠せなかったほどだったのだ。
ここに彼女の遺した生きた証が1作。『アラン ~いつか帰る日を夢見て~』。
天国の空でアランとの再会を果たしたであろうあやせりう氏、本作が彼女のもう一つの代表作になることを願わずにはいられない。
デジタルコミックコレクションはこのほか、以下の作品も配信スタート。
『犬と一緒に乗る舟 完全版』国樹由香
『ロンドにゃあ 完全版』玖保キリコ
『にゃんでぃ 完全版』IKARING
『吉谷光平作品集①/さくらンボ』吉谷光平
『吉谷光平作品集②/いちずが一番!!』吉谷光平
『パンクな日々 完全版』内山良治
このほか以下2作品も好評配信中!
『かっちゃく 完全版』ひきの真二
『オルガとこじらせ親父 完全版』小野寺浩二
- ■『アラン ~いつか帰る日を夢見て~ 完全版』第1話の試し読みはコチラから
- https://sgkcamp.tameshiyo.me/D04378SGCAMP
- ■あやせりう氏公式サイト「riuriu」はコチラから
- https://ayacoo.wixsite.com/riuriu
- ■いぬまみれ編集部のブログはコチラから
- http://ameblo.jp/digi-gene-inumamire/
- ■ねこまみれ編集部のブログはコチラから
- http://ameblo.jp/digi-gene-nekomamire/