『球神転生』第2巻発売記念!!
著者・ジェントルメン中村氏×サンシャイン池崎氏、空前絶後の本気創作論トーク!!
Xに投稿した第1話が瞬く間に万バズし、「新時代の王道野球漫画」との呼び声も高い『球神転生』(コミックアプリ「マンガワン」にて隔週日曜日更新中)。その著者・ジェントルメン中村氏と、作中の溢れかえるような熱量とバイブスに共鳴したお笑い芸人のサンシャイン池崎氏が、縦横無尽なアイデアの出し方や笑いのツボについてなど、作品やネタからは想像もつかないほど真面目に深掘りしていく、必見の対談。
【プロフィール】
ジェントルメン中村
2003年に『マスラオ桶狭間』でデビュー。
以降『セレベスト織田信長』、『ようこそ! アマゾネス☆ポケット編集部へ』など、破天荒な主人公がそのスケールの大きさで周囲の人間を圧倒する作風で人気を誇る。
2007年よりMC紳士名義でラップ活動も行う。
サンシャイン池崎
鹿児島県鹿屋市出身。お笑い芸人。
NHKラジオ「小学生の基礎英語」レギュラー出演中。
テレビ東京「おはスタ」などにもにも出演し、
日本テレビ「嗚呼!!みんなの動物園」では保護猫活動が話題となり子ども人気はもちろん、老若男女問わず人気急増中。
●サンシャイン池崎氏のネタは、マンガを生身でやっている!?
●『球神転生』の笑っちゃうポイント
中村:『球神転生』は、まず担当編集の千代田さんから「少年野球のマンガを描かないですか」と聞かれて、「わかりました、描きます」と答えてから半年くらい、どうしたらいいんだって思って。
池崎:へえー。
中村:全然わかんない、もう嫌だってなって。もうこうなったら1ページ目だけ一番面白く、盛り上がる感じで描こうと思って。最初の全ポジションでMVP取りっていうのを思いついた瞬間に、なんか脳汁がグワーッと出てすごい描けるようになったんですよね。
池崎:そうだったんですね。アホですよね、これ、最高ですよね、 笑っちゃうしな。 あと「世界連合」。“何これ!”と思っちゃって、めちゃくちゃ面白かったですよ。
中村:「世界連合」はないですからね。
池崎:そうですよね。
中村:ないけど、やっぱり「国連総長」だとなさそうじゃないですか。「世界連合」っていうのがあったら、これはもうすごいとしか言いようがないだろうから、「世界連合」にしました。
池崎:これは面白かった。あと、時間割とかも笑っちゃいました。
中村:時間割は第1話で一番描きたかったところですね。これが描きたかったっていうね。
池崎:いいっすよね。あと、フリガナ(ルビ)あるじゃないですか。めちゃくちゃ入れてますよね。
中村:入れてますね。
池崎:めちゃくちゃふざけてますよね(笑)。フリガナ、笑っちゃうんだよな。
中村:これ、ちょっとずつ昔からやってるんですよ。そしたら結構褒められて。あんまりやりすぎるのは下品な感じかなと思ったんですけど、やっているうちに歯止めが効かなくなって、年々増えていますね。
池崎:どっちを読めばいいか、わかんないですよ(笑)。それが面白いですよね。
中村:セリフで迷うときに、フリガナと両方入れられるから迷わないで済むんですよね。
池崎:なるほど、面白いっすね。あと、サッカー選手がバットごとキックするのが最高でしたね。
中村:これはね、よく我ながら良いこと思いついたなと。
池崎:バズり狙いなんですか?
中村:バズり狙いです。
池崎:バズりそうですもんね、こういう瞬間。
中村:ルールブックを一応読んだら、直接ボールを蹴るのはダメなんですけど、バットを手以外のもので振ってはいけないとはどこにも書かれてなかったんですよね。だから、バットをどういう感じで補助するかっていうのは、もう何やっても自由だろうということで、そうしましたね。
池崎:これは良かったですね 。
中村:この形式でいけば、どのスポーツも多分できるんじゃないかっていうね。
池崎:あと一番ヤバかったのは、最初のこの「ねじ切れる」(笑)。これは素晴らしいですね。つまり死ぬってことですよね。
中村:これは、あれですよ。池崎さんがネタでよくやっている、頭が割れてピーナッツが出てきたりね、フリップを持ってきた人をグシャって刺したりとか、ああいうのと同じ。唐突に来るスプラッターみたいな。面白いですよね。
池崎:そうですね。でも、漫画は絵で表現できるから羨ましいです。
中村:絵でね。ズルですよね。池崎さんはそれを声と動きでやっているから、やっぱり本当にすごい(笑)。
●二人のアイデアの出し方
池崎:今後の展開は結構決めているんですか?
中村:決めていますね。結構決めています。そのときの流れでやっぱりやめようみたいなのは何度もあります。これが描きたいっていうのを前もって決めておくと邪魔になったりして、そこを切ったら急に話が描けるようになったりとかあるので。描きたいことがないとやる気にならないけど、最後の最後でそれを切る、みたいなことはよくありますね。
池崎:へー。
中村:最初の頃はそれがわからなかったけど、だんだんやっていくうちに漫画家はそれが大事だなって思ってきましたね。池崎さんは、これをやりたいと思ってネタ作りを始めたけど、切っちゃうネタとかってあります?
池崎:全然ありますね。
中村:あっ、やっぱり。
池崎:はい、作ってみたらうまくいかないみたいな。
中村:やっぱり、そんなもんなんですね。ネタができる、できないって、本当にアイデアじゃないですか。ネタを作る時とかって、どういう時がいいとかってあります?
池崎:僕は普段からこれをネタにできるかなーなんて、ちょっと思いながら生活していて。あっ、これなんかネタにできそうだなってものをメモっといて、で、なんか作ろうっていう時にそれを種としてやるみたいな。
中村:なるほど、締め切りとかそういうのってあるんですか?
池崎:いや、ないっすね。あっ、でも、単独ライブとかをやる時は締め切りみたいなのありますね。ライブに間に合わせるっていう。その時はだいぶ追い込まれますね。 やるしかない、やばい、みたいな。
中村:アイデアをどうやって出すのか、いいアイデアの出し方ないのかってことをよく考えていて。走るといいアイデア浮かぶとかあるじゃないですか。あれ、やってみたけどね、全然ダメですね(笑)。
池崎:ダメですか(笑)。
中村:もう走るのに飽きちゃって。あと外を走るじゃないですか、そうすると、普段は家の近所の景色なんてって思ってんのに、走ると「いい景色だな~」みたいなね。景色のことばかり考えちゃって。
池崎:じゃあ、今はどこで考えてるんですか?
中村:自分の家のリビングの中をぐるぐるぐるぐる、ずっと歩き回ってます。カーテンの模様が気持ち悪くなってくるくらいまでぐるぐる回ってると、気づいたらできてるみたいな。この方法は辛いから、あれなんですけど…なかなかいい浮かび方ってないなぁって思って。
池崎:僕はサウナとか行きますよ。あ~暑いなぁって言いながら、リラックスしながら考える。
中村:そうか、僕もサウナに行ってみたんですけどね。この漫画は違うんですけど、今までの僕の漫画は全裸の中年男性がやたら出てくるんで(笑)。中年男性の体を、 こう描いたらいいのかみたいなことが気になって…。サウナはダメでしたね(笑)。
池崎:なるほど(笑)。
中村:あの体毛が濃いおっさんは胸毛、腹毛がすごい濃いけど、もも毛とかは濃くないなとか。
池崎:もも毛(笑)。
●大谷翔平選手以降の野球マンガ
池崎:ところで、これすごいですね、(オビに)王道野球漫画って書いてあるじゃないですか(笑)。
中村:これはね、僕の考えじゃなくて、担当編集の攻め方なんで。
池崎:やってますね。
中村:僕の攻め方と全然違うところで担当編集さんが「攻めよう」っていう。僕とは違う角度で「攻めよう」って気持ちがあるので、そこはお任せして、好きに攻めてください、好きにかましてくださいっていう。
池崎:攻めてますね(笑)。
担当編集:ありがとうございます。
中村:あとこれ、「ポスト大谷選手」って思いっきり乗っかってるじゃないですか。
池崎:乗っかってますね。
中村:で、ほら、一平問題があったじゃないですか。
池崎:一平は出てこないんですか、これ?(笑)
中村:出てこない。まだ出てこない(笑)、大谷じゃないしね。 王谷だし、翔兵衛ですからね。まあ、そういう問題があったから、 なかなかスリリングな状況かなと。でも、大谷選手の勢いに乗っていきたいなと思って。毎日、ニュースで大谷選手がホームラン打ったかどうかは必ず観るんですよ。
池崎:そうなんですか。
中村:やっぱりホームランを打っていたら、すごいいい気持ちになるんですよね。
池崎:嬉しいですよね。
中村:そう、これ嬉しいんですよ。 もう、俺の人生と全然関係ないのに、まあ、今ちょっと関係が出てきちゃいましたけど(笑)、関係なかったのに、 やっぱりすごい嬉しい。
池崎:すごいですよね。
中村:すごいですよね、なんの関係もないのにね。
池崎:なぜか打ってほしいってなりますもんね。 大谷選手だけっすね。
中村:いや、俺もそう。 スポーツ全般であります?今までなんかそういうの。
池崎:あんまりないっすね。 「大谷、今日打ったんかな」って思ったり、打ったら嬉しいって気持ちに初めてなっているかもしれないです。
中村:すごいですよね。大谷選手がホームランを打っても我々に1円もお金が入ってこないのに、なんで俺はこの人のために一喜一憂してるんだみたいな。 これがスターっていう感じしますよね。
池崎:不思議ですよね。
中村:不思議ですよね。池崎さん、野球はお好きなんですか。
池崎:全然です。
中村:全然ですか。
池崎:はい。野球漫画とかは読むの好きなんですけどね。プロ野球もあまり見てないですよ。
中村:観てないですか。でも、やっぱり大谷選手のニュースは入ってくるんですね。
池崎:そうですね。
中村:すごいですよね。いや、ほんと漫画みたいで、ピッチャーもやっていて、さらに日本人でホームラン王を取っちゃって。これだけなんでもアリだから、僕はもう、もっとなんでもアリにしていいんだ、みたいな感じに思いまして。
池崎:九刀流?
中村:九刀流!九刀流でいい。 全ポジション、ベストナインでいい。しかも…
池崎:20年連続?
中村:20年連続!大谷選手も、これからもしかしたら。投・打全部門のタイトル独占はないとは言い切れないけど、20年はやらないでしょうね。
池崎:まあまあ、そうですね。
中村:そうですね。そして日本代表の主将にはなるかもしれないけど、世界連合は多分、ないでしょ?
池崎:世界連合はないでしょ(笑)。
中村:(笑)。
池崎:世界連合は、意味わかんないでしょ(笑)。
中村:大谷選手の頑張りとは無関係に、世界連合は存在しないので。 そのくらいやっていいし、この2024年にぶっ飛んだ野球漫画を描こうと思ったら、そのくらいやらないと、もうね。
池崎:タイトルはどういう意味なんですか?
中村:これは野球の神がいて、まあ誰とは申しませんが、この主人公の少年、永遠嶋魅州太(とわじま みすた)は、その人物の生まれ変わりのような気がします。少年野球漫画を描くとなってから、普通にリアル目でやってみようかって思ったんですよ。
池崎:ああ、そっちもあったんですか。
中村:ありましたね。 ただ、そんなに野球に詳しくないから、リアル世界でやってもダメだから、どうせやるのならメチャクチャにしたほうが良いなと思って。メチャクチャといえば、今は転生モノとか流行っているし、あとオールスターバトルみたいなのはみんな好きなので、それを野球でやるかって思って。それからいろんな野球選手について調べはじめたんですけど、やっぱり主人公っぽい人っていうのは、今までのプロ野球の歴史の中でこの人しかいなかったんですよね。 この人の転生元の、あのお方しか。
池崎:あのお方(笑)。
中村:あのお方は野球を何のためにやっているかっていうのが、他の人ともう全然違くて。他の人はインタビューとかを読むと、勝ちたいとか、たくさん打ちたいとか、そんな感じなんですけど。あのお方だけは、どんだけ人を喜ばせるかってことのためにやっているんですよ。
池崎:へー。
中村:で、あの大谷選手がすごいのは、やっぱり成績がすごいでしょ。
池崎:すごいですね。
中村:実績が強い人が支配した世界だから、実績がものを言う世界に設定したんです。だけどこのお方は、そういうことじゃないもののために野球をやっている。
池崎:そうですね。
中村:たくさん打つとか、たくさん点を取るとか、勝つとか以上に、どんだけ人を喜ばせるか、どんだけ燃えるかの人だから。そういう人が、実績がすべての世界にポーンと飛び込んできたら、対比が効いて、燃え上がるんじゃないかっていうので、ああいう主人公になりました。
池崎:主人公、たしかにずっとそんな感じですよね。明るいし、前向きで、あっけらかんとしてる。
中村:あと、守備ですごいかっこよくアクションするんですけど、ただボールを捕るだけだったら意味がないと。ボールを捕るだけで見た人を喜ばせないといけないんです。でも漫画だったらそれはいくらでもできるので、もう思いっきりかっこよく守備させようと思って。やっぱりバッターが主人公だと、どうしても打つのが花になっちゃうけど、 守備でもっとこう、かっこいい、すごい、っていうのを見せたいなと思ったんです。
●『球神転生』のおすすめポイント
担当編集:では最後に、対談記事を読まれている方へ向けて、池崎さんにこの漫画のおすすめのポイントを伝えていただきたいのですが。
池崎:そうっすね、全部好きなんですけど…
担当編集:はい。
池崎:やっぱり、真剣に厚苦しくふざけてるっていうのがいいっすね。「ボケてますよ」じゃない描き方。この世界のキャラクターたちは真剣に、この野球しかない世界で一生懸命やって、本当にねじ切れるって思ってやっているわけですから(笑)。
担当編集:たしかに、みんなウケようとしてないですもんね。
池崎:これから読む人におすすめしたいのは、この真っ直ぐな、熱いふざけた世界を楽しんでほしいってことですね。
中村:(笑)。
池崎:あと、野球漫画には今までいなかったようなキャラがたくさん出てくるじゃないですか。 そこも見てほしいっすね。野球部がいないじゃないですか、敵チームに(笑)。
担当編集:各スポーツの方々が駆けつけてくれたわけですからね。
池崎:相手チームのピッチャーがボクサーとか、聞いただけでワクワクしますよね。
担当編集:この漫画って、サンシャイン池崎さんのファンの方との親和性ってありますか?
池崎:僕のことを好きな人はみんな好きだと思います。ファンの方が読んだら、「ああ、池崎好きそうだな」って思うのでは。
担当編集:ありがたいです。池崎さんのファンの方々には、そう読んでいただきたいですね。では、今日はとても面白いお話をありがとうございました。
中村:ありがとうございました。
池崎:ありがとうございました。
『球神転生』1~2巻は絶賛発売中!!
商品概要は以下のとおり。
ジェントルメン中村『球神転生』1~2巻
判型:B6版/各192ページ
定価:各770円(税込)
電子版:価格は各販売サイトでご確認ください。
9月24日まで本作などが無料試し読みできる「『雷雷雷』&『パワハラ限界勇者』新刊配信! もう読んだ? 裏サンデー期待の新作フェア!」実施中!!
本作をはじめ、最新刊が発売されたばかりの「裏サンデー」作品を集めた無料試し読みキャンペーンを、「小学館eコミックストア」ほか主要電子書店各社で9月24日まで実施中!!
対象作品は以下のとおり。
ジェントルメン中村『球神転生』
ヨシアキ『雷雷雷』
日之影ソラ+Noy+島崎勇輝『パワハラ限界勇者、魔王軍から好待遇でスカウトされる~勇者ランキング1位なのに手取りがゴミ過ぎて生活できません~@comic』
常喜寝太郎『全部救ってやる』
きんはで『勇者アルクはひとでなし』
水田マル『アヤシデ 怪神手』
スバルイチ『勇者が死んだ!』
岡Q『ミドリノバショ』
芳明慧『殺し屋は今日もBBAを殺せない。』
有馬レンジ『勇者は校則違反になりますか?』
全作品を読んで、推し作品を見つけよう!
- ■『球神転生』最新2巻の試し読みはコチラ
- https://sc-portal.tameshiyo.me/9784098535972
- ■ジェントルメン中村氏の公式X(Twitter)アカウントはコチラ
- @gentlemennkmr
- ■サンシャイン池崎氏の公式X(Twitter)アカウントはコチラ
- @ikezaki_YEAH
- ■「マンガワン」/「裏サンデー」の公式Twitterアカウントはコチラ
- @MangaONE_jp
- ■「マンガワン」はコチラ
- https://manga-one.com/
ジェントルメン中村氏(以下「中村」):恥ずかしながら、僕、お笑いに超疎くて…
サンシャイン池崎(以下「池崎」):いや、いいですね(笑)。
中村:めっちゃ疎いんですよ。何にもわかってなくて…今回、池崎さんが『球神転生』をお読みいただいてるって聞いて。ちょっと動画でネタを見させていただきました。
池崎:ありがとうございます。
中村:めっちゃ面白いし、めっちゃすごい共感しました。
池崎:はいはいはい。
中村:池崎さんがYouTubeで『球神転生』を取り上げてくれたときに、「これ、ネタ作りに池崎さんが入ってるんじゃないの」みたいな感じを聞いて、僕も逆に「これは俺が考えた話か?」っていう感じの瞬間とかあって…YouTubeを観ながら声出して笑ったし、すんげぇ共感する瞬間がいっぱいあって…それがすごく、ああ、こういう人いるんだみたいな感じで。
池崎:ははは、めっちゃ嬉しいですね(笑)。
中村:自己紹介のネタとか、ひたすら持っていく感じとかが、僕の1ページ目でとにかく掴もうとしている感じにすごい近くて。ひたすらありえないくらい盛る感じとかが、「うわあ、この人なんかすごくいい」と思って(笑)。
池崎:ありがとうございます。
中村:この人に褒められるのを嬉しいと思って。あと、そうそう、イタコのモノマネっていうのがめっちゃ面白くて。 こういう言い方はちょっとアレかもしれないですけど、僕が描きたいような話みたいなのを生でやっていて、すげぇなと。
池崎:はい。
中村:マンガのギャグって、ありえないことをリアルな絵でやることによって、実際あるような、ないような感じにして、笑いをとるみたいなのが結構あると思うんですけど。池崎さんはそれを生身でやっているから(笑)。擬音とか、叫び声とか、動きで人が死んだり、人が破裂したりするのを生でやっていて。マンガを生でやっている人がいるみたいな感じで。
池崎:そうですね 、よく言われますね。
中村:あっ、やっぱり。
池崎:「コロコロコミック」っぽいって言われたりとか、よくありますね。
中村:なるほどね、 やっぱそうなんですね。
池崎:よく単独ライブとかで長尺の劇みたいなモノをやるんですけど。それがやっぱり、こういう世界観なんですよね。 卓球モノを作ったんですけど、卓球のめちゃくちゃな技が出たりとか(笑)。
中村:ああー、いいですね。
池崎:学園モノを作ったときは、変なテニス部に、いろんなキャラを出して。『球神転生』の五億村(京=ごおくむら けい)とかのようなモジリのキャラを出しているので、すごいシンパシーを感じましたね。
中村:マジですか。ありがとうございます。大げさなら大げさなほどいいみたいな感じですよね。 あの自己紹介のネタって、いつごろどんなタイミングで出したんですか?
池崎:あれはもう結構前で、10年ぐらい前だと思うんですけど… 僕、アニメ好きで。
中村:はい。
池崎:『天元突破グレンラガン』っていうアニメにめっちゃハマって。で、あれ、なんか口上を言うじゃないですか、戦う前とかに。あれ、かっこいいなと思って。で、なんとなく作ってみますかって、口上を。
中村:はいはいはい。
池崎:これ、長い方がおもろいんかなみたいな。
中村:はいはいはい(笑)。
池崎:で、名前ずっと言わないようにしてみようかな、みたいなので、できたやつですね。
中村:ああ、なるほど。その時はもう池崎さんのスタイルって、今みたいな感じだったんですか。
池崎:そうっすね、だいたいは。
中村:「大げさ」。
池崎:「大げさ」っすね。
中村:あのネタって自己紹介だから、なんて言うのかな、ネタそのものじゃないから、 そんなにこう、がっちりオチとか起承転結みたいなのをやんなくてもいいから、ひたすら勢い勝負で作れて。作った時、楽しかったんじゃないかっていう気がしたんですけど、どうですか?
池崎:楽しかったっすね。大げさなことを言うっていうのと、あと名前を言いそうでなかなか言わないっていうのをやっている人もいなかったから。
中村:そうですよね。めっちゃ面白くて、声出して笑っちゃったし、本当になんか俺が漫画でやりたいことを生でやっている人がいるっていう(笑)。
池崎:嬉しいっすね。