Creator’s Lounge/『灼熱カバディ』武蔵野創氏に聞く

”デビュー前夜” SPECIAL インタビュー

 2021年4月よりTVアニメ化が決定している、いま一番熱いスポーツ漫画『灼熱カバディ』。その作者である武蔵野創氏に、デビューのきっかけとなった「マンガワン投稿トーナメント」について聞く。思い出の数々、そしてたったひとつの心残りとは?

 連載デビュー作がTVアニメ化というのは、漫画界のサクセスロードをまさに駆け抜けているさなかだ。そのさなかにいる漫画家・武蔵野創氏に、だからこそのいま、スタート地点を振り返ってもらった。武蔵野氏のデビューのきっかけは、たったひとりで描いた作品を、マンガアプリ「マンガワン」が主催する一風変わった投稿者向けの賞に応募したことだった。

【プロフィール】武蔵野創

コミックアプリ「マンガワン」にて『灼熱カバディ』を連載中。同作は2021年4月よりテレビ東京ほかにてTVアニメ化が決定しており、大きな注目を集めている。

© 2020武蔵野創・小学館/灼熱カバディ製作委員会

「マンガワン投稿トーナメント」とは

「マンガワン」&「裏サンデー」による、業界最速級デビューを誇るマンガ新人賞。編集者による選考ではなく、「読者」が作品を審査する。トーナメント形式で勝ち上がり、優勝者は必ず連載ができるなど、これまでの投稿者向け新人賞にはない特色を持つ。
詳しくはhttps://manga-entry.tokyo-cdn.com/tournament









―――「マンガワン投稿トーナメント」には3回参加されていますが、それぞれ参加された時のご心境をお伺いできれば。

武蔵野創氏(以下敬称略): 第1回トーナメントの時は、予定の半分の量の原稿にしか、セリフを打つという最終作業が終わらなかったんです。
自分のタイピングの遅さを恨みました…。それでも、200人中20位とかになったので、セリフ打ちが間に合えば次は勝てるなと思いました。
第2回トーナメントは、前回の経験を踏まえて、「投稿者の中でなら絵でも勝負できる」と思ったので、目立つために、「動きのあるバトル」を題材に挑みました。結果は4位だったんですが、僕より成績上位の人たちはみんな作品を連載することになったので、次は勝てるなと思いました。
そして第3回トーナメント。第2回の後 担当の編集者さんも付いて、新人賞も獲っていたんですが、負けたまま終わるのが嫌だったので、担当さんに許可をとってトーナメントに投稿しました。当時は、WEBマンガにスポーツを題材にした漫画がなかったので、目立つためにバスケの漫画を描きました。ありがたいことに、トーナメントに出した漫画は、読者のみなさんにはいつも評判が良く「勝ったな」と思ってました。
しかし「目玉焼きは醤油派?ソース派?」みたいなアンケートをとって票を稼ぐ小賢しい漫画(褒めてます)があったり、イラストレーターさんが本気のカラーを描いてきたりして、予選、一回戦から三回戦まで、一度も1位は取れませんでした。
そして、決勝戦。結果は4位でした。しかも4票差で負けたので、もう「4」は持ちネタにしようと思いました。

―――その後、連載が決まった時の心境は?

武蔵野:トーナメントで1位取りたかったなあと、思ってました。

武蔵野氏の連載デビュー当時の原稿
(『灼熱カバディ』第1話より)
―――投稿トーナメント参加中の、楽しい思い出を教えてください。

武蔵野:これまで編集部の編集さんたちだけに読まれていた投稿原稿が、広く読んでもらえるとことで、読者のみなさんから反応の言葉をいただけることが、一番楽しかったです。そして同じ漫画家志望者と知り合い、励ましあい、学びあい、決勝の時だけ若干ギスギスするのが面白かったです。

チームメイト・ライバルチーム、いずれも魅力あふれる『灼熱カバディ』の登場人物たち。
投稿者にとってはキャラクター造形の勉強にもなる。(『灼熱カバディ』第131話より)
―――その後は、『灼熱カバディ』の連載が2015年7月に始まりますね。「マンガワン」で連載をする良さ、また辛いところはなんでしょう?

武蔵野:良いところは、「マンガワン」というよりWEB漫画全体で言えることなんですが、まず、読者のみなさんの反応がすぐわかるところです。「マンガワン」は特にコメント欄がありますし。
また、力を入れたい回などの展開によって、ページ数を自由に増減できるところもいいですね。
辛いところは、「ちょい足し」というおまけページです。漫画家は一話ごとに限界まで体力を使い果たします。例えるならフルマラソンです。
「ちょい足し」は、フルマラソン走った後にもう1kmって言われてるような感じです。最初から計算に入れとけばいい話なんですが、そんなしっかりしたことができるなら僕は漫画家になっていないような気がします。

描き手のセンス・技量が大きく問われる、スポーツの動き。
連載を続ける中で、その表現にもますます磨きがかかる(『灼熱カバディ』第140話より)
―――最後に、アニメ化が決まった時のお気持ちを教えてください。

武蔵野:自分の実力以上の結果だと思ったので、嬉しいよりも、周りの方々への感謝が先にきました。

★コミックアプリ「マンガワン 」第11回投稿トーナメントの締め切りは2021年1月11日。たくさんの投稿をお待ちしています!★

■裏少年サンデーコミックス『灼熱カバディ』1〜15巻好評発売中!
https://shogakukan-comic.jp/book-series?cd=44354
■『灼熱カバディ』アニメ公式サイト(TVアニメ2021年4月放送開始/テレビ東京ほかにて)
https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/kabaddi/
■TVアニメ『灼熱カバディ』公式Twitter
@kabaddi_anime

■第11回マンガワン投稿トーナメントは、2021年1月11日締め切り! トーナメント告知動画はこちらから


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