楽園殺し 3
- 内容紹介
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今宵、誰がために星は輝くーー 獣人事件の収束から1年。
砂塵渦巻くこの街で、ふたたび騒乱が起ころうとしていた。
「この警護任務は大任よ。こんどこそかならず式典を成功させなければならないのだもの」
「また悪い予感か? お前の勘はよく当たる。なにもなければいいがな……」
謎に包まれた連続食人事件の勃発。
延期開催される150周年記念式典。
「かつてこの地をおとずれた、盟主たちの祖〈Dの一団〉」
「彼らがこの地に根を差し、大陸一と呼ばれる大都市に発展させ、象徴として作られたものが、この中央連盟です」
「さあ、みなさまで祝おうではありませんかーーこの偉大都市の、栄えある150周年を!」
熱気に包まれる舞台を見下ろすは、市民、粛清官、円卓の盟主たち。
そして、たったひとりの星の夜。
「みなさん、とっても盛り上がってくれているのね! ぜひ聴いていって。このわたし、ノエル・シュテルンの歌をーー!」
祝宴の終幕を飾るは、この街の”歌姫”のステージ。
その背後に蠢くは、宗教徒たちの黒い影。
「ーー楽園殺し」
「ああそれも、貴女の望みであるならば……」
ーー今宵、偉大都市史上最大の祭り(フェス)が幕を開ける。